建仁寺塔頭の禅居庵は、仏教の守
護神の日天の眷属である摩利支天
を祀る。毎年一月にゑびす神社に
お参りに行く際に立ち寄るが、境
内にはその眷属の猪の狛犬など、
多くの石像がある。摩利支天は古
代インドの神で、実体のない陽炎
の光の神格化とされ、当初天女の
姿であったが、男神も作られ、さ
まざまな形がある。日天の前に常
に隠形の身で猪に乗って疾行し、
自在の通力を有するとされ、武士
の間で信仰された。今年こそは長
年要している著作が出版され、評
価されることを本図で祈願する。