去年の夏、京都の北野天満宮にあ
る撫で牛の石像のひとつが何者か
によって首を切り落とされた。そ
れを見かねた人が新たに黒御影石
の牛を寄進し、年末に早速見に行
って来た。子牛のその写実的な表
情はとても現代的で、誰でも「カ
ワイイ」と思ってあちこく撫で回
したくなる。いくら心の荒れた人
であっても、その大きな瞳を見る
と、とても手を出せないはず。「
お牛さん、何見てる?」「神社の
梅に決まっている」「そうだね、
もう花が咲く頃だよね」「へんぽ
んかんげん、にってんすいしゅ」