9月中旬、野村万之丞プロデュー スの『真伎楽』を鑑賞した。日本 に伝わる伎楽面やそれに合う衣装 を復元し、それらを身に着けて音 楽を伴奏に踊りを繰り広げる。最 初、数十人の若者が賑やかに登場 し、その序の終了後にひとりの女 性が両袖で顔を隠して静かに舞台 中央前に出て来た。両袖を割って 顔を見せると、そこには呉女の仮 面があった。ひんやりと背筋が感 じた。そんなことで驚くとは普段 から自信が欠けるためか。そう言 えばあれもこれもと目移りする。 地震の揺れで目が回ったせいか。