栗林公園に東門から入った時、昇 って間もない朝日が木立ち向こう にキラキラ見え、池の面からは水 煙りが立ち始めた。悠々と泳ぐ錦 鯉の群れ、樹齢二、三百年の手入 れが行き届いた松や蘇鉄など、予 想をはるかに越えた見事な園内を 巡る間、出会った散歩人はわずか 数名。園の東に見える紫雲山は紅 葉し始めていたが、あの山には栗 の林があるのだろうかと思った。 山の西向こうは市街地で、熊が生 息できる場所はない。庭園を立派 にするのもいいが、野生の動物の 生活事情も考えねばね。ナハッ!