去年暮れにスマトラ沖で大きな地 震と津波があった。切り絵として のタイトルだけ思い浮かびつつも 作品化は見送った。遅ればせなが らウィリアム・ブレイクを引用し た本作を提示する。あまりに大き な自然災害に遭遇して人間は小さ さを実感させられる。罪のない人 が一瞬のうちに、しかも大勢死ん でしまう現実を見ると、神は存在 しないと改めて思ってしまうが、 あるいは神が涙で懇願しても押し 止められない非情の真理を、狼の ように素早く孤立した大神が大宇 宙で司っているのかもしれない。