スーパーの賞味期限切れの格安野 菜の中にウドがあった。もうそん な新芽の初春だ。手に取って何本 か眺めると、どれもみな面白い形 で、人間が両手を挙げて叫んでい る姿に見える。写生に食用。2本 買って帰った。ウドの大木という 言葉があるが、大きくなって役立 たずの人間でも、幼い頃はみな可 愛い。だが、人間は幼児からすで に愛や憎しみを覚え始め、大人に なってさらに深い愛憎の森に迷い 込んでもがき苦しむ。ウドの新芽 を見ながら、きっと植物でも同じ 事情かもしれないと思えて来た。