先日、唐時代のラヴ・ロマンスを 描いた中国映画を観た。コンピュ ータ・グラフィックスを多用した 漫画的な内容であまり感動もなか ったが、牡丹坊という色茶屋で美 女がひとり踊る際の床にあった直 径10メートルほどの敷物が気に なった。その模様は中央の大きな 牡丹を囲む形で10以上の蝶が配 されたものだ。実際は織物ではな くて絵だと思うが、それにしても 印象に深い小道具だった。花があ ってこそ蝶も飛ぶ。女は匂いを発 して待ち、そこにたくさんの男が 訪れる。太陽の下での普遍事だ。