今はもう芭蕉や蕪村が活躍したよ うな俳諧の時代ではないけれど、 五七五の言葉のリズムを、四一五 二三二などと指折り数え、気軽に 俳句を作るのはいいことだ。各地 を旅して迫力ある名句をものにし ようとするのでなくても、ごく些 細な日常の中からでも面白い句は いくらでも生まれる。素人の創作 でも、作り続ける意欲が大切だ。 プロから見れば至らぬ点があって もかまわない。それに、何事もプ ロにかなわないと言うけれど、プ ロも最初は素人だ。では一句。「 気がつけば虫の音弱し西の焼け」