脱いだ靴が大きな口を開けた双子 の男の顔に見えた。叫んでいるの かあくびしているのか、あるいは 悲しんでいるのか、苦笑いしてい るのか知らない。「やい、お前は いつもわしの口に臭い足を突っ込 んであちこち歩き回るだろう。時 には感謝してしっかり手入れしろ よ!」「あほ、臭いのはお前や」 「わしは最初は革のいい匂いがす るだけだ。お前が毎日わしを虐げ てあちこち連れ回すから、お前の 臭いが染みついてしまったんだ。 つまり、お前とわしは兄弟だ!」 「臭い仲なんかいやなこった!」