梅雨時には茎が白くて先端が3つ に開いたスミレの実がよく目につ くが、まだ開いていない房をひと つ見つけて摘んで帰った。うす緑 色で長さ8ミリ程度だ。その日の 夕方、パチンと激しい音がした。 房を見ると、3つに開き、内部に は仁丹より小粒の固くて艶のある 黒い種子がびっしりと並んで詰ま っていた。それが次々にあちこち へ音を立てて弾け飛ぶのだ。床を 必死に探しても数粒しか見つから なかった。テポドン・ミサイルの ように遠方へ飛ぶようだ。可憐な 花の遠くへの力強い思いに感心。