バスの窓から見知らぬ道を眺める のは楽しい。何でもないような田 舎町でも、普段見慣れないのでか えって印象に残る。中国山地のど こか知らないが、背丈が2メート ル以上もあるひまわりが何本か立 っていて、どれも重い頭部を下方 に向けていた。周りには人家がな く、濃い静けさが充満していた。 ひまわりはタネが熟すると、雨水 の侵入で内部が腐らないように自 然に下を向く。その大きな頭部は 雨が降った時には小さな傘代わり になると思えるが、案外タネが降 り注いで頭に突き刺さるかもね。