雨上がりの夕暮れ、近くのスーパ ーに買物に出かけた。通り慣れた 道だが、夜になりかけた空には重 い雲が一面に垂れ込め、まるで夢 の中のような不気味さがあった。 ふと空を見ると、屋根のアンテナ に烏が数羽いて、みな同じ方向を 見つめている。ぎょっとしたが、 さらに別の家のアンテナにも同様 に烏がたくさん留まっていた。ま さかと思いながら、さらに別の家 のを見るとそこも同じ…。そのよ うにしてざっと200羽ほどがア ンテナにいたが、烏はどんな電波 をキャッチしているのだろうか。