●人類の旅路の断章<26> バラバラの思いをどうつなぐか。記憶とは過去のことだが、その過去にある記憶を常につなぎ合わせて今を行動している。今が昔と直接つながっていることを思えば、ある記憶を追体験することで、これからの行動へのヒントが得られる。つまり、今後起こることは過去の中にしかなく、個人的に見ればそれは自分が辿って来た人生のすべてであり、国家や世界から見れば歴史ということになる。だが、歴史は個人の人生の総集合ではない。歴史書を記述する人々らによる重要事項のピックアップの差によって、本質が著しく変化させられることがある。「歴史に学べ」という言葉があるが、むしろ普通の人には「自分の記憶に学べ」の方が実感出来る言い回しだ。その記憶の中に歴史への解釈も含まれているからだ。ということは、歴史とは自分の記憶なのだ。 |