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水元が終わった生地はすぐに張り木に取りつけて乾燥させる。これは最初の水元後の乾燥
のさせ方と全く同じだ。浴槽から引き上げる時には3、40センチ間隔で屏風だたみにし
、水気を適当に絞った後にその束を縦方向にふたつ折りする。それをそのまま作業部屋に
持参して張り木に取りつけて張った後、すぐに生地裏面から全体をタオルで拭いて水気を
荒く取り除く。この場合、仕事場の床を水でかなり濡らすことになるので、ふたつ折りし
たすぐ後にバス・タオルで全体をすっぽりと包んで洗濯機の脱水機に30秒ほどかけるの
もよい。いずれにしろ速やかにおおよその水分を除き、張り木で自然乾燥させる。張り木
に張らずにロープやポールに吊って乾燥させてもよいが、やはり生地全体を水平にし、し
かも生地の横糸がどこも真っ直ぐな状態になるように乳布の張り木に取りつける位置をよ
く確認して張る方がよい。どっち道また張り木に張る必要があるからだ。また、張り木で
水元したものを乾燥させる場合、ロープは強く引っ張らず、生地の長さ方向にある程度た
るみが出来た状態でよい。生地が濡れた状態で張力を加え過ぎると、生地が必要以上に伸
びて、それが最後の湯のし後の伸びにまだ影響するからだ。伸子も使用しないが、これは
乾燥後に筆による彩色で伸子を使用すると自然と生地が伸びるので心配はない。それより
前に必要以上に生地が伸びてしまうと、彩色時に伸子の効き目がなくなり、また生地耳が
かなり飛び出た状態で最終的に仕上がる恐れがある。そのため張りの強度の大きい伸子は
、生地が充分乾燥してから使用する。乾燥して初めて地色や花など大半の部分が、当初計
画した色が埋まってほぼ完成に近づいたことを実感出来る。それまでは糊を伏せての染色
であったため、全体の色の具合を実際に確認することは出来なかったが、ここに至ってよ
うやく地色や絵の色の兼ね合いが明確にわかり、次の彩色の工程での配色を絞り込める。
また、もし地色や花などの色に気に入らないところがあれば、糸目はまだそのまま存在し
ている状態でもあるし、場合によってはそうした失敗と思える染色箇所をまた糊で堰出し
して染め重ねればよい。ただし、染まっている色をうすめたり、別の色にするには一旦抜
染するほかない。
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11,豆汁地入れ
12,引染め
13,蒸し
14,水元
15,糊堰出し
16,糊堰出し部の引染め
17,糊堰出し部の彩色
18,再蒸し、水元
20,糊抜染
21,彩色
22,ロ−堰出し
23,墨流し染め
24,ロー吹雪
25,ロー吹雪部の彩色
26,ロー・ゴム・オール
27,表具
1,受注
2,写生
3,小下絵
4,下絵
5,白生地の用意
6,青花写し
7,糸目
8,地入れ
9,色糊置き
10,糊伏せ
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