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地面の濃い紫色は、最初の糊伏せ時にまず中間程度の紫色が引染めされ、次の糊堰出しの
工程において地面の最上部を示す地平線の糸目外際から堰出した格好で濃い紫を染め重ね
たものだ。染めるごとに蒸しをかけているので色は充分定着しているが、ここでもう一度
ロー吹雪をしたうえからさらに染め重ねる。そしてこの三度目の引染めの色はすでに仕上
がっているのとは違う色合いの紫を使用する。同じ色であればあまり目立たないからだ。
そのため、糊堰出し後に引いた二度目の濃い紫はいくぶん青めを使用し、ロー吹雪後は反
対にエンジ色に近い紫色を引くことで、全体を遠目に見た場合にちょうどよい色合いにな
ることを考えた。ロー吹雪はロー粒の付着した箇所が脱ロー後に跡となって残らないから
、引染めすべき部分のみ厳密にロー粒を付着させるのではなく、他の場所にいくら及んで
もかまわない。だが、なるべくなら新聞紙で覆って他の場所にローの粒が飛ばないように
する方がよい。このように、不要なものはなるべく生地には付着させないことを常に念頭
に置く。引染めは、あまり大きな面積でもないので、毛幅が1寸程度の丸刷毛に頼ったが
、ローの粒が障害となって刷毛の色が他の場所にはじき飛ぶことがあるので、染める際に
はある程度染まって具合の悪い箇所を新聞紙で覆うなりしてその危険を回避する。地面と
して表現するの区画に楔のように入り込んだ花式図の区画は、本当はその全体をローで伏
せるのがよいが、注意して引染めするのであれば周囲1、2センチ程度の必要最低限のロ
ーの防染幅で充分だ。パラフィンとマイクロワックスの配合にもよるが、ローに細かいひ
びが無数に入ることがある。これはよほどのことがない限りそこから色は浸透しないので
、そのまま引染めしてよい。また、染料には浸透剤を少量入れた方がよい。それはこの地
面の部分の2度の引染めによっても生地裏まであまり濃い色に染まっていないことによる
。なるべく深みのある色合いとして完成させるためには生地裏まで濃い色が浸透すべきで
あり、この最後の引染めによってそれが多少なりともかなうようにする。また、ローのう
えに被さった色はすぐに雑巾などで拭い、引染め後は生地を傾けずに自然乾燥させる。
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16,糊堰出し部の引染め
17,糊堰出し部の彩色
18,再蒸し、水元
19,乾燥
20,糊抜染
21,彩色
22,ロ−堰出し
23,墨流し染め
24,ロー吹雪
26,ロー・ゴム・オール
27,表具
1,受注
2,写生
3,小下絵
4,下絵
5,白生地の用意
6,青花写し
7,糸目
8,地入れ
9,色糊置き
10,糊伏せ
11,豆汁地入れ
12,引染め
13,蒸し
14,水元
15,糊堰出し
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